生まれたての赤ん坊は、いかにも柔らかく弱々しい
それが年老いていくと、だんだん固くなり
最後は死んで硬直してしまう
動物も植物も、およそどんな生きものも
いのちが生き生きと輝いている時は
柔らかくしなやかなものだが、死が近づいてくると
どんどん固くなる
だから次のように言うことができる
固さとは、死と老いのシンボル
柔らかさとは、生と若さのシンボル
そもそもいのちとは柔らかく、しなやかなものなのだよ
柔らかな木や枝は折れにくいが
固い木や枝はぽきんと折れてしまう
頑丈な武器も同様でね
強大な軍隊も、ただ剛強なだけでは勝てない
臨機応変に対処できるやわらかさと
しなやかさがなくてはね
結局ものごとの最後には常に
柔弱なものが
剛強なものに勝つのだよ
「老子」自由訳 新井満
