2015年2月27日金曜日

ゆったりとおおらかに

彼は他人に完全であることを望まない
ほころびや欠陥があっても動じない
その方がかえって自然ではないかと思う
だから自分自身の成長にも、完成ということを考えない
大器晩成
「大人物は才能の現れるのは遅いが、晩年になって完成する」
しかし、彼はそう解釈しない
そのような解釈は不遜だと思う
彼はこう考える
そもそも完成などありえないのだ
完成するような大器は、真の大器ではない
真の大器とは、晩年になっても完成しない
つまり永遠に未完なのである
そんなことを思いながら
水のように、風のように生きて行く
ゆったりとおおらかにね
それが道(TAO)に目覚めた指導者の生き方なのだよ

自由訳「老子」 新井満