2015年2月27日金曜日

ブラフマンとアートマン

タオイズムの人間観は、そのベースとしてまず、
身体は流動体(リキッド)だとするところから始まります。
いわれてみれば、頷くことばかりですが、
ヒンドゥー教の有名な宗教詩「ヴァガヴァット・ギーター」
の中で、クリシュナ神は弟子のアルジュナ王子に向かって
教えを垂れます。
我々を取り巻いているさまざまの事物、数々の出来事、
それはいずれもブラフマン(梵)と呼ばれる同一の
究極的な実装の現れである、と神は教えます。
ブラフマンは
ーそれはタオと同じく万物の内面的な本質を示すものですがー
始まりもなく、理解を超えたものであり、
言い表し難いものであって、絶えず形をかえつつある
万物の本質を示しています。
それは人々から崇拝されるさまざまの神々や、女神たちを
統一しながら、その奥に潜んでいます。
このブラフマンが、人間の魂に現れる状態が
アートマン(我、息)です。
アートマンは、ブラフマンという唯一の宇宙の実相の
現れなのです。



ジーン・シノダ・ボーレン
『タオの道しるべ』より